2013/07/18

ワルプルギスらいと2013に投稿している作品の紹介2

なぎのきは「ワルプルギスらいと2013」に5作品、投稿しています。
締め切りが8月27日。そろそろ折り返しと言う事もあり、作品の紹介をしてみようと思います。

プロジェクト・アマテラス


この作品は、何と言うか、コメディタッチの恋愛物とでも言うのか、そんな作品です。
ただ、主人公達は、変な能力を持っています。

少年、結城徹也——人間GPS
少女、一条千寿——人間マッパー

一条さんが方角が分からなくなり迷っているところを、遅刻確定の結城が見つけた事で、出会います。
後は実際に作品を読んで頂くとして(と言っても選考中なので、序章と1話だけですが)、特徴的なのは、一条さんの地図作成能力です。
方角さえ分かれば、目に見える風景から、地図を構築します。それこそ、建物の構造や、見えていない裏側まで、道を脳内に構築します。
ただ、方角が問題。彼女は方向音痴なのです。だから、転校初日に、学校から渡された地図をもってしても、迷ってしまう。
そこに、偶然居合わせた主人公。
これは、渡りに船、つまり、遅刻の言い訳が出来たと、喜んで道案内を買って出ます。
が、彼女は方角さえ分かれば、もう迷わない。

「この道。ここを曲がると、この地図にはないけど、小道に出るんだ」
「小道……」
 そう言うと、彼女は目を閉じた。
 そして開いた。
「分かった」
 じゃね。
 そう言わんばかりに、彼女は、僕を放ったまま、歩き出した。
──ちょっと待ってよ。その道から先の説明が……。
 と言いかけたが、言葉にはならなかった。
 彼女の歩く勢いに、迷いがなかったからだ。
 まるで、その先の道を知っているかのような、そんな歩調。
──まさかね。
 知ってるはずはない。転校生なら尚更だ。僕が教えた小道は、本当に長くこの土地に住んでいないと、その先の分岐で迷ってしまう。

ところが、彼女は迷わない。

「いや、大丈夫じゃないって。その先の道、知らないでしょ?」
 彼女は、また仏頂面で振り返った。
「その小道を抜けて、三叉路を右に。その後は、道なり。すると交差点に出る」
「──!」
 何故そのルートを知っている?
 僕は手に持ったままの地図を、もう一度見た。
 三叉路やら小道は、いくら見ても、省略されていて、痕跡すらない。
 立ち止まって、もう一度見る。やっぱり、どこにも描かれていない。

主人公は唖然とするが、一条さんは平然としたまま。

「地図はもう頭に入ってるの」
「?」
「さっき教えて貰った小道。それから町並み。遠くに見えるビルや電柱。そこから地図を作ったの」

こんな感じなのです。
そして投稿済みの序章。
どうやら誘拐でもされたかのような冒頭です。
主人公は、そこで悪知恵を働かせ、窮地を脱しようとします。

「彼女に会わせて欲しい」
「ダメだ」
「お願い」
 僕は、これだけは譲れない。僕のプランのためでもあるが、それ以上の理由が僕にはある。
 僕とリーダー格の男は、睨み合いを続けた。
 折れたのは、向こうだった。
「……分かったよ。ただし、変な真似はするなよ?」
「しないよ。なんなら、椅子に縛られたままでも良いし」
「上等だ」
 話は決まった。
──さぁて。どこまで騙せるかな。
 自分の感情と、この連中と、彼女を。

と伏線を張り巡らせ、どう回収しようかなーなんて考えてはおりますが、それも一次選考を突破してからです。
ブックマーク数50個の壁は大変厚いのですw



そして最後。ヒーロー物です、一応

プロジェクト・アマテラス


国家安全対策室。
悪の組織。
これらが出てくるのなら、ヒーロー的な存在が必要になる。
でも、そんなに都合良く、ヒーローなんて現れない。
なので、雇用する事にした。

主人公は、ハローワークでせっせと就活に勤しんでいるところを「適性」とやらで、ほぼ問答無用に、国家安全対策室に採用される。
そこがどんなところであれ、国家公務員。
ところが……

「ええとだな」
「敬語を使え。仮にも上司だぞ、私は」
「まだ違うだろうが。俺はまだここに入ると決めていない」
「お前の意思なんぞ知らん。なんなら、お前を探すために使った予算を請求してやろうか? お前の生涯年収の十回分はあるぞ?」
「んがー!」
 俺は頭を掻きむしった。

と来て……

「初めからちゃんと理由を説明すれば良いじゃないか」
 対するは、由利川女史だ。
「個人の意思など、無きに等しい」
 ここは民主主義国家じゃないんですか?
「可能な限りのデータと、様々な解析結果から導き出された結論。それがお前だ」
「もしもし?」
「浦賀悠。お前は、ここ『国家安全対策室』の実行部隊として活躍してもらう」
「あのー」
「これで体制は万全だ。後は『悪の組織』が動き出せば、即行動に移せる。内閣府直轄の正義の組織体制が確立された。思えば長かった。苦難の道だった。だが、それが今!」
「ああ、ええと」
「結実したのだ!」
 俺の声は、地下深くにある、窓一つない、無駄に広いこのオフィス『国家安全対策室』のどこにも、誰も届かないようだった。
 もう、怒る気も失せていた。
──俺は一応、就職……した事になるの、かな?
 国家公務員に。

こうなる。最早主人公は、理不尽上司の下で働く事に「されてしまう」。
戦い方も最悪だ。『サイオリング』などと言う、怪しげなアイテム。
これを装着すると、

「ああ、分かっている。浦賀、そのリングを右手に」
 もう何でも来い。
 俺は、由利川女史からリングをひったくって、右腕にはめた。
 途端。
 右手を中心に、何かが入り込んで来た。体が拒絶するが、それを押しのけ「それ」は強引に侵入してくる。
 頭の奥がしびれる。意識が白濁する。脳みそが破裂しそうだ。
 あまりの激痛に、俺は気を失った。

何やら大変な事になり、

 俺が気がついて周囲を見たとき、違和感があった。視界の隅に何やら文字が見えた。
──システムノーマルって何だ?
「室長、リングとの接続、正常値です」
「そうか。まずは第一段階成功だな」
──は?
「適格者の選定に時間をかけた甲斐があったと言う物だ」
「おいこら」
「何だ?」
「俺で実験したのか?」
「実験ではない、実践だ」
「……その実践の成功確率は?」
「五パーセントだ」
「残り九十五パーセントだったら?」
「このヘリごと、爆発四散していただろうな」

実は大変だったと言う事になる。
そして実戦投入。

「良し、作戦開始だ。浦賀、飛び降りろ」
「は?」
 ヘリのドアが開く。下界は、どう少なく見ても数百メートル下にある。
「飛び降りろ?」
「そうだ。さっさと行け」
 言うが早いか、由利川女史は、俺を固定していたベルトを引きちぎり、俺をヘリから蹴り落とした。

強引にも程がある、登場シーン。
そして実戦は……本作をお読みなって頂きたいと思いますw


これで、現時点での5作品(魔女の時間、真夏の歩兵、トリック・オア・ユアマインドは「ワルプルギスらいと2013に投稿している作品の紹介1」で紹介済み)は全て紹介致しました。
これらの作品を、もし読んでみたいと思われましたら、それぞれのリンクをクリックして頂ければ、作品のページに飛びます。
そして、続きを読みたいと思われましたら(アマテラスのアカウント登録が必要ですが。。。)、ブックマークをお願いします。
この辺の詳細は別記事で説明しておりますので、ご参照下さい。

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